塚本〜大阪には悪魔が存在するから気をつけろ!

 

「お兄さん、お兄さん。起きてください。」

 

僕の眠りを妨げる者は誰だ?

 

呼びかけに呼応するように少しずつ目を開けると、視界の先にはJR職員がいた。

 

「お兄さん、降りて下さい。それと、、、」

 

それと、、?

 

一体僕は何を言われるんだろうか?

 

「それと、、、

 

車両の端っこにあるキャリーケースってお兄さんのですかね?」

 

はい、、そうです、、。すみません。

 

謝りながら車両を降りた僕。

 

ふと顔を上げると、そこには見慣れない

 

なんとも偉そうに新三田と書かれた看板が僕の前に立ちはだかっていた。

 

 

 

 

 

僕の名前はあまっぺ。

 

本名は【天野カツヨシ】。

 

今回僕の身に何が起こったか、みんなにも分かるように教えるね。

 

えっとね。この日は朝から撮影して、そのあと別件で鶴橋に飲みに行ってたんだ。

 

僕は次の日も仕事があるし、あんまり終電ギリギリで帰るのも嫌だったので、11時くらいにお店を出たんだ。

 

屋(オク)さんっていう美容師の友人も神戸の方まで帰るので、大阪駅までは一緒だねって事で電車に乗ってたんだけど、、

 

 

 

 

僕って、ほら、可愛いからさ、

 

鶴橋〜大阪まで寝ちゃってたんだよ。

 

大阪に着いた時に屋さんが、

 

「天野さん、大阪駅着きましたよ」

 

って優しく起こしてくれたの。

 

あぁ、危ない危ない。

 

もう少しで乗り過ごすとこだったぁ〜

 

屋さんマジ感謝ぽよ。

 

なんて思いながら電車を乗り換えてさ、

 

奥さんは快速?の電車に乗って僕は

 

大阪駅から一駅隣の塚本駅

 

なので普通の電車に乗ったの。

 

(屋さん今から電車で家まで1時間くらいかかるのか、、、気をつけて、、)

 

なんて思いながら、最寄駅が一駅隣という高みの見物を決め込んでたの。

 

朝から撮影したから、

 

キャリーにはマックやカメラや、アイロンやらと大事な物がたくさんあるから、

 

コレは絶対に持って帰らないとヤバイ物ばっかり入ってたの。

 

 

 

 

明日からも仕事頑張るぞ〜

 

明日も楽しみだぞ〜

 

なんて思いながら、大阪駅から塚本駅に向かう電車に乗って、

 

一回、、

 

たったの一回目を瞑った瞬間

 

 

これよ

何を隠そうこの私こと天野カツヨシは、

 

去年通算4回ほど、大阪駅から一駅隣の塚本駅で降りる事が出来ず、終点の西明石駅まで行く事があったので、

 

 

西明石カツヨシ

 

という新たなニックネームを闇に抱えていた。

 

今年に入り、塚本駅で降りれる確率100パーセントという、

 

去年の僕からしたら考えられないほど異常な数字を叩き出しており、

 

これは完全に西明石を克服し、本来のあるべき姿に戻りつつある、

 

というかそれが普通なんだけど、

 

破竹の勢いでブイブイ言わしていたのだが、

 

ほんの、、、

 

ほんの少しの油断で

 

 

 

これよ

 

もしかしたら、

 

屋さんに何かを盛られたのかもしれない

 

という疑惑も正直あるのだが、

 

証拠がまだ見つかっていないので、証拠が見つかり次第法廷で叩きつけてやる所存。

 

冒頭に書いた

 

僕の大事なキャリー

なんだが、

 

最近のキャリーはどうやら車輪の性能もかなり良く、

 

スイスイと移動する時にストレスフリーなくらい車輪もガンガン回るんだが、

 

いかんせんウチの子は好奇心が旺盛なもんで

 

 

一人で電車の中を大移動していた。

 

良かった、本当に良かった、、、

 

ちゃんとあって良かった、、

 

と安堵したのも束の間、

 

僕は今塚本駅ではなく、新三田駅にいるのか。

 

もしかしたらまだ電車が残っているかもしれない!

 

と思い、一縷の望みをかけて掲示板を見たが、

 

 

カッツォ!!!(クソ!!!)

 

こうして僕は新三田にて一夜を過ごす事になった。

 

西明石ではなく、

新三田に来るなんて新鮮だ。

 

みたいなジョークの一つでも言えれば良かったのだが、

 

僕の目の前に広がる壮大な景色がそれを許さない。

 

 

 

 

何もないやんけ、、、

 

 

 

タクシーで帰ろうとしたが、大阪までゆうに2万は越えるだろう距離。

 

 

 

 

 

もう絶望に開けてくれいた僕なのだが、

 

ここで僕は気付いた。優秀だから。

 

(せや、Twitterで聞いたら新三田に詳しい方が誰かアドバイスをくれるかもしれない。)

 

 

 

カッツォ!!!

 

まぁいい。

 

いうても残り3時間ちょっと。

 

どこか風を遮れる所で待つかと思った矢先に、下田さんがいつものようにしょうもない事を言ってきた。

 

 

 

 

屋さんもどうやら反省している様子。

 

 

 

 


 

数十分後。

 

手足が震えてきた。

 

無理も無い。

 

てゆうか風を遮れる所が無い。

 

 

吐く息は白く、これは上下のヒートテックを仕込まないと無理レベルに異常に冷え込む。

 

(このままでは新三田カツヨシとして爆ぜてしまうかもしれない)

 


 

やめとけ!

 

そんな僕が考えたのは、、、

 

マップを開く事であった。

 

 

 

 

駅前のセブンはしまっており全く機能していない。

 

どこがで暖がとれる所はないのか!

 

祈るようにマップを開いた僕は、、

 

僕は、、、

 

 

 

ローソンを見つけた!!!

 

うぉぉお!

 

ローソンあるやんけ!!!

 

ローソンに行くと現地の方がいるから、何か近くに店はないか?

 

と聞くことも出来るし、もしかしたら

 

イートインで朝まで過ごせるかもしれない

 

不思議と体の震えが止まった。

 

希望が、、僕にはまだある!

 

一歩づつ、一歩づつ歩み出す僕の足に力が湧いてくる。

 

あそこまで行けば、、、

 

きっとなんとかなる!

 

 

 

 

そうこうしているうちに僕はローソンにたどり着いた。

 

冷え切った僕の体にはエアコンの暖かい風が充満しているローソンは天竺に感じた。

 

店内を見渡すと、お客は僕しかいない。

 

てゆうか、ここに来るまでに一人も見ていないのでお客がいないのは容易に想像できる。

 

店員は男性一人だった。

 

イートインがあるのかを確認すると、

 

9:00〜0:00 までと表記しているのを確認。

 

今時刻はゆうに2:00を回っているので、イートインの利用可能な時間帯ではない事は分かっている。

 

僕は暖かいコーヒーを握りしめ、レジへと並んだ。

 

 

「あ、あの、、、この辺りってまだ開いてるお店とかってないんですかね、、、?」

 

店員さん

「この辺りは工場地帯なんで夜は何も開いてないですね。」

 

「、、、、。」

 

分かってはいたが絶句する僕。

 

そして、、、

 

 

 

 

 

 

「あ、あの僕、電車を乗り過ごしてしまって新三田まで来てしまったんですよ、、。

 

朝の始発までイートインで待たせてもらうとかお願い出来ませんかね?

 

外でずっといてたんですが、もう寒くて寒くて、、、

 

利用時間外とは分かっているのですが、、、。」

 

 

店員さん

「左様でございましたか、、、、

 

今日は一段と冷え込みますし、外で一晩過ごすのは大変危険ですね。

 

かしこまりました。

 

時間外ではありますが、どうぞお使い下さい。

 

あ、そのコーヒーは僕からのプレゼントとさせていただきます。

 

大変でしたね。

 

どうぞごゆっくりとおくつろぎ下さいませ。

 

新三田はとても良いところなので、これに懲りずにまたいらして下さいね。」

 

「て、店員さん、、、(むせび泣き)」

 

 

 

 

 

 

 

まるでヒューマンドラマかのようなゲキアツな展開に

 

 

 

どうにかしてなって欲しかったのだが

利用時間を過ぎたイートインを使わせてくれ等とは口が裂けても言えず、

 

僕はローソンを後にした。

 

もう行くあてもなくなった僕は駅に戻り、、

 

証明写真の機械の中で一夜を過ごす事にした。

 

 

 

 

 

迷惑なのは分かっている。

 

もしかしたら真夜中に誰か証明写真を撮りに来るかもしれない。

 

でもこのままでは寒過ぎて死んでしまう。

 

謝罪と感謝の気持ちが入り混じった証明写真の中で僕は一夜を過ごした。

 

 

証明写真の中では一生アナウンスが続く。

 

「いらっしゃいませ。

ご利用ありがとうございます。

なんちゃらかんちゃら〜」

 

2周くらいすると、アナウンスが止まるのだが、

 

ちょっとでも動くとセンサーが感知して、またアナウンスが始まる。

 

全く動かないまま過ごすとか不可能なので、

 

僕はゆうに

 

証明写真のアナウンスを100回くらいは聞いたであろう

 

孫の孫のそのまた孫の孫の分まで聞いた気がする。

 

ここまで来るとアナウンスアレルギーが発令しかけたが、

 

僕は気付く。優秀だから。

 

どうやらこのラインより下にいてると、アナウンスは発動しないらしい。

 

 

 

 

なので、、

 

椅子に座りながらめちゃくちゃ前傾姿勢で一夜を過ごした

 

 

ちなみに正面写真の中だったので、

 

せっかくだから

 

盛れるアプリで自撮りしておいた。

 

 

 

 

恐らくだが、証明写真の機械は

 

僕にこう言いたかっただろう

 

金払えよクソが

 

 

こうして、僕は命からがら始発までなんとか生き延びる事が出来た。

 

ありがとう新三田。

 

ありがとう証明写真の機械。

 

ありがとう命よ。

 

 

JR塚本駅〜JR大阪駅には魔物が住んでいるので、皆様もくれぐれもお気をつけくださいませ。

 

 

 

ps 証明写真の機械は寒さを凌ぐ為に作られたものではございません。

皆様は決して間違った使い方をしてはいけませんよ。

 

 

 

 

 

 

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